ヘルプデスクに蓄積するナレッジの活用
分野:ITSM
テーマ:ナレッジ/チャットボット
当社が行った調査によれば1000名以上の企業でヘルプデスクの問合わせ対応を管理する仕組みを持っていないと答えた回答は、何と全体の56%もありました。
ヘルプデスクのメンバーがExcelやグループウェアに問い合わせ内容を登録し管理していると答えた企業も多数ありましたが、これでは、
ナレッジはヘルプデスクにしかたまらない状況が続くだけでなく、ヘルプデスク内でも情報共有がうまくいきません。
ユーザが困った時、いかに必要な情報にアクセスできるか、情報をどう貯めて活用するかということが、今回のコラムのテーマです。
前回に続き4回シリーズでヘルプデスクにおけるナレッジ管理のポイントをご紹介します。今回は第1回目です。
第2弾1回目:AIチャットボットを導入するためには
さて多くの企業がAIチャットボットでユーザからの問合せ対応を効率化しようと、試行錯誤をされてらっしゃるんではないでしょうか。
しかし、その取り組みには大きな壁があると言われています。AIチャットボット自身は回答を考えることができません。Q&Aの「Q」と「ユーザからの質問」を紐付けているだけなのです。
つまり、必要なQ&A情報がナレッジとして蓄積されていなければどんなに優秀なAIチャットボットでも十分活用することはできません。
導入前に準備いただきたいもの
AIチャットボットをより効果的に活用するために、導入前に準備いただきたいものがあります。
① ユーザ問い合わせをシングルポイントで蓄積する仕組み
② 回答内容をナレッジとしてユーザが検索できる仕組み
③ ナレッジの参照状況が定量的にモニタリングできる仕組み
の3つです。
AIチャットボットに登録するべき情報は、思い付きで選ぶべきではありません。実際に複数回問い合わせがあったものを優先して登録するというアプローチが必要です。
そのためには問合せを貯め、ユーザに検索してもらいその参照状況を確認することで、定量的に登録する情報が選別できます。
つまり、ITサービス管理システムが必要ということです。少なくとも、インシデント管理、ナレッジ管理、レポート機能は必須です。
AIチャットボットを効果的に使うポイント
AI チャットボット利用するメリットはヘルプデスクへの問合せが減少することです。つまりヘルプデスクとしてはまずチャットボットに聞いて欲しいのです。
しかしユーザは「ヘルプデスクの問い合わせ窓口」と「AIチャットボット」を使い分けなければならないように感じるかもしれません。
目指すところは、今後すべてAIチャットボットにまずは問合せるというカルチャがユーザに浸透することが望ましいと考えられます。
AIチャットボットが答えられなければ、問合せ先もチャットボットが案内してくれるという「問い合わせのシングルポイント化」がこの問題を解決するためのカギです。
つまりAIチャットボットとITサービス管理システムがシームレスに連携できるかがポイントです。
ITサービス管理システムがAIチャットボットのナレッジを強化する
次にAIチャットボットが回答できなかった質問とヘルプデスクが対応しクローズしたナレッジを突合させて、チャットボットに「Q&A」として登録する運用は、 回答率を高めるために大変重要な運用となります。
AIチャットボットで回答できなかった質問を抽出できるか、ITサービス基盤側で回答した内容と突合できるかなど、確認して効果の高い運用を実現してください。
まとめ
① AIチャットボットを導入する前にITサービス管理システムを導入してQ&Aの元ネタをしっかり作りましょう!
② AIチャットボットにまずはユーザが確認するようになることを目指しましょう!
③ AIチャットボットのナレッジを強化するためにITサービス管理システムを活用しましょう!
以上が「AIチャットボットを導入するためには」になります。
次回第2弾2回目はナレッジライフサイクルマネジメントです。乞うご期待ください!
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