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ivanti特集記事第1弾3回目【レポート/ダッシュボード】「月次」でマネージャが振り返るデータ

データで改善するヘルプデスク

分野:ITSM

テーマ:レポート/ダッシュボード


ITサービス管理ツールを利用すると、インシデントを記録し、その対応状況を管理することができます。しかし、その利用用途だけではもったいない! 蓄積された情報を有効に活用することで、ヘルプデスク業務を効果的に改善することができるのです。
全4回シリーズでデータの活用方法をお伝えします。今回は第3回です。

第1弾3回目:「月次」でヘルプデスクマネージャがレビューするべきデータ

今回は月次で確認をするべきヘルプデスクのデータに関してご紹介をさせていただきます。
月次で確認するデータには3つの意味があります。
1つ目はサービスレベルの達成状況です。2つ目がナレッジの棚卸です。3つ目は関係者へのフィードバックです。
これらの観点でデータをどう活用するか見ていきましょう。

①サービスレベル管理

まず月内のサービスレベル達成状況を確認します。インシデントへの対応が期間内に完了しているか、リクエストにおいて定められた期間内に作業が完了してるか、 こうした状況を月別にチェックしていく必要があります。


これらの確認を長期間行っていないと、全体としてルールが守れない状況が続き、エンドユーザから大きな不信を買うことになります。 最低でも毎月SLAを遵守できたか、またできなかった場合にはどんな要因があったのかを考えるべきだと思います。


SLA はエンドユーザとの約束であり、当然実現可能な目標であるべきです。
しかしながら設定当初はどの程度をSLAするべきか判断できないかと思います。その場合は現在の対応時間をベースラインとして実現可能な目標値を定めることをお勧めしたいと思います。 これらのことを実現するためにもインシデントが発生してからクローズするまでの時間、リクエストが申請されてから対応が完了するまでの時間を是非記録してください。 こうした情報を月次で管理し改善に向けて対策を取ってることがヘルプデスクの運用上重要です。また改善施策の効果測定としても利用できます。
ヘルプデスク運営はエンドユーザからより厚い信頼、高い満足を得ていく必要があり日々の改善が大変重要です。 現状と同じ目標ではなく日々改善するための余地を検討し、それを振り返るためのデータを残して分析することをお勧めします。

①サービスレベル管理

②ナレッジの棚卸

次に月次で行わなくてはならないものとしてナレッジの棚卸が挙げられます。
ナレッジはたくさん登録してあれば良いというものではありません。使われるべきナレッジが表示され、利用されなくなったものは検索結果として上がってこないようにします。 逆にさらに参照を促さなければならないナレッジはポータルサイトのトップに掲載するなど周知を強化することも重要な施策です。
ナレッジの棚卸はその活用頻度を確認し、長い期間利用されてないな力については検索対象から外し、ヘルプデスクが重要度が高いと思われていてもあまり検索されてないものについては 周知するための方法を検討するという業務です。いずれにしてもナレッジの利用状況をモニタリングできるようにしなければなりません。

②ナレッジの棚卸

③エンドユーザへの報告

月次レポートはエンドユーザも関心を持ち確認するので重要なコミュニケーション機会と考えるべきです。
この一か月間インシデント発生数やヘルプデスク対応した件数ともに、本来エンドユーザの協力があれば対応が不要であったものなどを報告することで、 ヘルプデスクの負荷を軽減することにつながるかもしれません。
例えばルール外の依頼やマニュアルを読まずに問い合わせ行ってきたインシデント数などをレポートして注意を促すことで同様のケースを防止することができます。

③エンドユーザへの報告

④サービス及びシステム別のレビュー

エスカレーション先のシステム担当者にも月次報告は良いフィードバックの機会といえるでしょう。
サービスやシステム別にインシデント数を集計しエスカレーション先の担当者に報告することで、今後の改善に役立てることができます。 システムの品質やトラブルの長期化などヘルプデスクリソースを圧迫する要因については関係者にしっかりと状況を共有して対策をとってもらうべきと考えます。

④サービス及びシステム別のレビュー

1ヶ月という時間のインターバルによってメッセージに重みが出てきます。ヘルプデスクのマネージャは関係者に対し、毎月こうしたレポートに分析を加えて発信していく必要があるわけです。


ITサービス管理ツールを利用すると、インシデントを記録し、その対応状況を管理することができます。
しかし、その利用用途だけではもったいない!蓄積された情報を有効に活用することで、ヘルプデスク業務を効果的に改善することができるのです。


クラウドですぐにはじめられるITサービス管理


過去の記事はこちら!
第1回:日次でヘルプデスクリーダが読むべきデータ
第2回:週次でチームが共有するべきデータ


次回予告

第1弾4回目:「年次」で見るヘルプデスクの通知表