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ivanti特集記事第1弾4回目【レポート/ダッシュボード】「年次」で見るヘルプデスクの通知表

データで改善するヘルプデスク

分野:ITSM

テーマ:レポート/ダッシュボード


ITサービス管理ツールを利用すると、インシデントを記録し、その対応状況を管理することができます。
しかし、その利用用途だけではもったいない!蓄積された情報を有効に活用することで、ヘルプデスク業務を効果的に改善することができるのです。
全4回シリーズでデータの活用方法をお伝えします。今回は第4回です。

第1弾4回目:「年次」で見るヘルプデスクの通知表

今回は年間を通じてヘルプデスクのパフォーマンスを定量的に測定し評価を行うことで改善に活かしていくデータの読み方についてご紹介をさせていただきます。
ヘルプデスクは減点法で評価される側面がある組織です。しかしよくできたものを伸ばしできなかったことを改善していくことで組織を成長させることができます。 つまりヘルプデスクチームの成績表を作ることで今何が出来ていて何が課題なのかを議論することができるようになると思います。


具体的にはSLAの達成度、ユーザアンケートの集計、ナレッジ構築への貢献、年間でのヘルプデスク負荷状況などのデータを元に昨年度との比較や目標への到達度合いを分析し、 なぜうまくいったか、なぜうまくいかなかったかを客観的に評価します。

①SLAの達成度

SLAはユーザとの「約束」です。SLAをしっかり守ることは、ユーザに理解や協力を求める前提でもあります。もちろん、トラブルが頻発し、対応できなかった問題もあったかもしれません。
そこをヘルプデスク全体のリソースとして今後どうしていくのかを考えることが重要なのです。


まず、全体としての達成度をみて、SLA違反が多いサービスや時期を特定し、個別ケースで分析することをお勧めします。 ただ「できた」「できない」の議論にならないようにどうすれば円滑化をよく考えるようにしてください。
SLA違反となった事象に対する回答でナレッジ化が漏れているものはないかなど、オペレーション上意味のある議論をぜひ行ってください。


①SLAの達成度

②ユーザアンケートの集計

ヘルプデスクの顧客はユーザです。ユーザの声は無視できません。ヘルプデスク業務は多分にユーザの感情的な影響しやすい部分もあり、そうした側面からも分析が必要です。
ユーザは対応に満足だったかというアンケートは、プロセス通り対応しているヘルプデスクメンバーには聞き入れ難いものもあると思います。 しかし、ユーザからの評価が低い傾向にあるメンバーは、コミュニケーションに課題があるかもしれません。 トラブルを解決したいというユーザの気持ちに寄り添っていないとか、説明が不親切でわかりにくいといった、OKかNGで判定しにくいやりとりは、ユーザの声からその気づきを得ることができます。


逆に評価の高いメンバーは、その結果を組織として認めることで今後もモチベーションを維持することができるでしょう。 また、FAQや新人の指導などのアサインを決める際にも良い見本となることが求められる場面では、判断材料の一つになるかもしれません。

②ユーザアンケートの集計

③ナレッジ構築への貢献

ナレッジ構築はヘルプデスクの負荷を減少させる最も有効な手立てです。このナレッジ構築がどれくらい進んだか、 またどれくらい利用されているかを評価することが、ヘルプデスクの業務改善の肝とも言えます。


まず、ナレッジの構築がどれくらい進捗したかを確認しましょう。全体として、定量的な目標となる件数はクリアできたかを年間の実績を通じて評価します。
次にシステム別にナレッジの蓄積状況をチェックします。トラブルが多いのにナレッジが不足していれば、そこは改善していかなればなりません。
またナレッジの構築に貢献したメンバーを評価することも重要です。ナレッジの構築はコツコツとした地道な作業です。より多く登録に貢献したメンバーは評価されるべきです。


またナレッジの利用に関しての評価も重要です。ナレッジ登録をしても利用されなければ、かえって検索に必要なナレッジへの到達を妨げる要因ともなりかねません。 どれくらいナレッジが利用されているかをよくモニタリングし、利用されていないナレッジが多いようであれば、チームとして必要な情報を見極める方針を立てるべきです。
メンバー別にナレッジの利用状況をレポートすることで、活用されていることを実感させ、登録をモチベートすることにも繋がります。

③ナレッジ構築への貢献

④年間ヘルプデスク負荷状況

最後に年間ヘルプデスク負荷状況を確認し、各システム担当への周知させることも重要です。
来年度のシステム計画を立てる上でリスクの高い作業等を検討する材料になったり、ヘルプデスクチームの年間計画を立てるための検討資料になったりします。

④年間ヘルプデスク負荷状況

以上が、年間を通じたデータの読み方です。
ヘルプデスクツールにデータを貯めるだけではもったいないのでぜひ改善に役立ててください!


クラウドですぐにはじめられるITサービス管理


過去の記事はこちら!
第1回:日次でヘルプデスクリーダが読むべきデータ
第2回:週次でチームが共有するべきデータ
第3回:月次でヘルプデスクマネージャがレビューするべきデータ


次回予告

第2弾も企画中です!是非ご覧ください!